製作依頼で用意すべきものはあるの? – 紙モノ編


「頼みたいけど何を用意したらいいかわからない。」
私は紙媒体とWeb系のデザインを生業としているデザイナーです。
多くのお客様は私を人伝に見つけてくださり、お仕事をご依頼いただける際、初めてのお客様に決まって言われる一言があります…
それが「頼みたいんだけれど何を用意したらいいかわからない。」というこのワンフレーズです。
そのフレーズを聞くたびに「また同じフレーズだ。」と私は内心思いながらラップトップを開いて、「まずは何のために作るのか一緒にお話をして語源化しましょう!」とお客様にご返答し、一緒に作らせていただいております
私は、たびたび耳にするこのフレーズから、多くのお客様が「どうしたらいいのかわからない不安」を抱えてお話に来てくださるのでは?と日々仕事の中で感じているので、今回はそんなお客様の不安を少しでも解消できればと筆を取らせていただきました。
あくまで私個人の考えうる目安で記載しておりますので、ご依頼の際のひとつの参考として捉えていただけますと幸いです。
デザイナーからおそらく聞かれるであろう内容
おそらく大体のデザイナーは下記の項目を聞いてくると思います。
- 作るモノのは何に使うのか
- 作るモノのデザインの雰囲気は固まっているかどうか
- 作るモノのサイズのイメージ
- 作るモノの材質のイメージ
- 載せる素材はあるのか/ ないのか
- 載せる原稿はあるのか/ ないのか
- お客さんの手元にいつまでに完成したものが届いて欲しいのか
紙モノを作る場合、デザイナーはまず「どんなことに使うのか」、要はどういう場面で使うものかを聞いてきます。
例えばイベントで配布するものであれば「どんなイベントであるのか」、お店に置くメニューであれば「お店のどこに置くのか、お店はどのような雰囲気なのか、料理はどのようなジャンルのものを出しているのか、お店にくるお客様はどのような方が多いのか」など細かくお客様に聞いてくると思うので、簡単で構いませんので「何を、どのように、誰のために使うものなのか」を明確化しておくとスムーズに話が進むと思います。
作りたいイメージの参考を見てイメージをふくらませましょう
また、作るモノを「どんなデザインに」したいのかをスマホで近しいものを写真で残したり、ネットで見つける・ 似てるものをストックして持っていくといいでしょう。
こちらに関しては、全く同じ雰囲気にするわけではなく「自分の思い描くイメージを言葉に明確にするのは難しいので、デザイナーが参考にできそうな程度を資料として持っておく」という気持ちで持っていただくといいと思います。
以前あった例でいうと、キャンピングカーのラッピングデザインのお仕事をくださったお客様とはTSUTAYAにお客様と行き、どんなテイストのデザインをラッピングデザインとしてイメージしているのかを音楽のCD ジャケットの中からイメージに近いテイストを一緒に模索しました。
作るものの素材感を考える
次に、デザインの方向性がみえてくるとデザイナーは作るモノのサイズ感や材質を聞いてきいてきます。
慣れているデザイナーさんであればその日か後日、材質サンプルをもってきてくださるのでその時でもモノのサイズ感や材質のお話をするのがいいと思います。
また、これに関してはデザインによってはデザイナーさんから提案いただくことも可能ですので必ず頭の中にイメージを持って置く必要はありません。
一番大事なこと、内容を考える
次にサイズ感や材質の話のあとデザイナーが気にするのは「作るモノに入れる内容」に関してです。
お客様か ら作るモノに対して使うことができる「写真やイラストの素材」などの支給があるのか、「載せる原稿」の支給があるのかどうか、デザイナーは気にします。
なぜ気にするのかというと、「写真やイラストはデザインをする上で印象を決めるのに大きな影響力を持つ」 と多くのデザイナーは考えており、その原稿量や写真の使用量によってレイアウトが変わってきます。
ただ依頼する際、手元に写真やイラスト・原稿素材がないというお話はよくある話ですので、ない場合 は「今現在ない」という旨を伝えていただければ問題ありません。
期日についてのすり合わせ
素材や原稿がない場合はデザイナーから「いつ頃までに用意ができるのか」という用意期日のお話をされるかと思います。
写真やイラスト素材に関してはデザイナーに製作や撮影の依頼を別途費用のもと相談するという選択肢かもしくは、こちらも別途費用のご相談がございますが写真やイラストの素材をネットで購入するという選択肢から検討を提案されると思います。
原稿に関して基本的にデザイナーはお客様にご用意をお願いするケースが多いとは思いますが、ある程度(6-7割)できている原稿を渡して、原稿をレイアウトに合わせて調整いただく校正を依頼することができるデザイナーさんも別途費用相談ではありますがおりますので、ご自身で用意するのが難しい場合は相談されると良いかと思いますし、場合によっては原稿を作る部分からフォローアップしてくださる方もいます。
このように、作る上でかかりつけの病院にかかった際に症状をお医者様に説明するように、一番最初にどのような物を作りたいのかたくさんの要件をヒアリングされるので上記を参考にイメージをふくらませ、お願いする前の準備をすると不安は解消されやすいと思います。
また一番重要な期日として「いつまでに手元に欲しいのか」という最終納期は必ず聞かれるので、納期はなるべく明確に決めておきましょう。
紙ものは「デザイン制作の期間」と「印刷の期間」2つが存在するので、なるべく余裕のある納期間を提示することをオススメします。ですがどうしても急ぎの場合は、納期を伝えて最短でどれぐらいでできるのかを相談することをオススメします。